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高齢者骨折治療センター

慶仁会城山病院 高齢者骨折治療センター 迅速な入院対応 専門性の高い治療 的確なリハビリ 多職種との連携


城山病院は、高齢者の骨折に特化して専門的な治療を行う「高齢者骨折治療センター」を令和6年8月1日に、群馬県で初めて開設します。
当院は東毛地域である太田・館林医療圏の第二次救急医療機関・二次救急指定病院であり、これまでに数多くの骨折をした患者さんの治療を行ってきました。昨今の高齢化社会の進行に伴い、高齢者が転倒し骨折する患者さんが東毛地域でも年々増加しています。このたび「高齢者骨折治療センター」を新たに開設し、近隣の医院・病院と密に連携を取って協力しながら、地域医療にさらに貢献していきたいと考えています。

高齢者骨折治療センターについて

超高齢化社会をすでに迎えた日本では、高齢者の骨折が年々増加の一途をたどっています。その多くは骨粗鬆症が原因の骨折であり、日常生活動作の能力や生活の質を大きく低下させ、健康寿命が損なわれます。特に、大腿骨の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)は、早い時期に手術を行い、リハビリをしなければ、歩行能力が低下し、要介護状態となり、余命に大きくかかわってきます。

当センターでは、骨折を起こした高齢の患者さんを対象に、専門知識をもった経験豊富な整形外科医が中心となり、内科医・麻酔科医・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・栄養士・医療ソーシャルワーカーなどが協力し合う多職種連携のチームで、円滑な入院治療を行います。質の高い治療を安全かつ早期に行い、早期リハビリ、早期の機能回復、早期の社会復帰を目指します。

高齢者骨折治療センターの特徴

高齢者骨折治療センターでは、東毛地域の高齢者の骨折患者さんに対して、以下の3つの理念をもとに、
患者さんに寄り添った治療にあたることをお約束します。




①患者さんにとって最適な骨折治療を行う

日本骨折治療学会評議員である李 相亮センター長が中心となり、最新の知見をもとに、患者さんにとって最も適した骨折治療を行います。




②次の骨折を予防するための骨粗鬆症治療を行う

骨粗鬆症が原因の骨折を一度起こした患者さんは、後に別の部位の骨折を何度も起こしてしまうことが非常に多いことが知られています(骨折の連鎖)。骨折を治すだけでなく、次の骨折を予防するために骨粗鬆症の治療も行うことが非常に重要です。日本骨粗鬆症学会評議員・日本骨粗鬆症学会認定医である李 相亮センター長が中心となり、患者さんの状態に応じたオーダーメイドの骨粗鬆症治療を行います。




③多職種連携のチーム医療で患者さんの複合的サポートを行う

他職種が連携したチーム医療骨折を起こした高齢の患者さんは、骨折だけでなく、認知症、糖尿病、心臓の病気など様々な病気を持っています。こういった患者さんに対し、整形外科医だけでなく、経験豊富な内科医が病気の状態を評価し、適切な治療を行います。在宅生活・社会復帰へ向け、早い段階から積極的に理学療法士・作業療法士によるリハビリを開始します。言語療法士による嚥下機能の評価や、管理栄養士による栄養状態の評価・栄養相談を行います。看護師やソーシャルワーカーによる退院後の生活の相談や、退院後の在宅生活へ向けた支援を行います。チーム一丸となって、複合的なサポートを行ってまいります。



高齢者骨折治療センターの対象となる骨折

高齢者が受傷しやすい5大骨折が主な対象です。

①大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)

大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)


毎年20万人以上が受傷する骨折であり、高齢者の5大骨折の中で最も早期に手術が必要な骨折です。早期に手術、そしてリハビリを行い、早期の機能回復・社会復帰が実現できるようサポートいたします。当センターでは入院後48時間院以内の早期手術治療を目指しており、昨年度の平均待機時間は、49時間でした。
この骨折を起こした患者さんは、1年以内に反対側の骨折を起こすことが多いことが知られています。次の骨折を予防するために、入院中に骨粗鬆症のお薬を開始します。



②腰椎圧迫骨折(腰・背骨の骨折)

腰椎圧迫骨折(腰・背骨の骨折)転倒などで腰・背骨に生じる骨折です。荷物を持ったり、かがんだりしただけでもこの骨折が起こることがあります。尻餅をついただけなのに、数日経っても腰の痛みが続く場合や、初めは少しの痛みだったのに、だんだん痛みが強くなる場合は、この骨折が疑われます。圧迫骨折を受傷し、痛みが強く、自宅での生活が困難な患者さんに対しては、入院した上で、積極的保存的療法(手術を行わない治療)を当センターでは行っています。具体的には、腰につけるオーダーメイドのコルセットを迅速に作製し、出来上がり次第早期にリハビリで歩行訓練を開始し、疼痛緩和・骨折の早期治癒・次の骨折予防を目的とした骨粗鬆症のお薬を開始します。



③橈骨遠位端骨折(手首の骨折)

橈骨遠位端骨折(手首の骨折)


転んで手をついた時に起こりやすい骨折です。上記①②の骨折に比べて、高齢者の中でもより若い年齢で起こしやすい骨折です(60~70代)。以前は、ギプスで治療することが多い骨折でしたが、最近では手術で治す患者さんが増えてきています。手術の利点は、固定期間が短く、もとの日常生活に早く戻れることです。整復しても骨折のズレが戻らなかったり、関節面に骨折線が及んでいたり、粉砕がひどかったりする場合は、手術治療をした方が、成績が良いことがわかっており、手術治療をお勧めしています。入院期間は短期間(3~7日間)となることが多いです。退院後は通院でリハビリを行います。
また、この手首の骨折を起こした方は将来的に、上記①②の骨折を非常に起こしやすいことがわかっています。手首の骨折を起こした方は、治療法に関わらず、検査を行ったうえ、必要があれば骨粗鬆症のお薬を開始し、将来の骨折を予防することが大切です。


④上腕骨近位部骨折(肩の骨折)

上腕骨近位部骨折(肩の骨折)

⑤足関節骨折(足首の骨折)

足関節骨折(足首の骨折)

もちろん、上記5大骨折以外の骨折(上腕骨中央・遠位部、膝、骨盤など)にも対応いたします。当センターでは、手術が必要な骨折患者さんだけでなく、手術をしないで治す「保存的治療」が適応の骨折患者さんの入院治療も積極的に行っております。

手術実績

当センターでは大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)の治療に特に力を入れています。年間160例以上の大腿骨近位部骨折の手術症例を有し、群馬県内でもトップクラスの手術件数を誇ります。当センターでは手術数が年々増加しています。


SWIPE

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
大腿骨近位部骨折 99 94 86 145 165
総手術件数 388 329 240 464 580

SWIPE


大腿骨近位部骨折手術件数


大腿骨近位部骨折は、入院後48時間以内に手術を行うことが国内外のガイドラインで推奨されていますが、全国の病院調査での入院から手術までの平均待機時間は約108時間と報告されています。当院では48時間院以内の早期手術治療を目指しており、昨年度の当センターでの平均待機時間は、49時間でした。



大腿骨近位部骨折の症状(脚の付け根が痛い)でお困りの患者さん、大腿骨近位部骨折患者さんの入院先をお探しのクリニック・病院の先生方、救急隊員の方々、施設関係者の方々は、いつでも(24時間・365日)当センターにご相談下さい。可能な限り早期に入院していただき、入院後48時間以内の早期手術が行えるように努力いたします。

もしも、骨折したかもしれないと思った場合には

「腰が痛くて身動きが取れない」「転んで立てなくなった」「股関節が痛くて歩けない」…
もし、こんな症状があれば骨折を疑って、すぐに救急車または当院へ連絡し、当センターを受診してください(24時間・365日対応可能です)。迅速に対応させていただきます。高齢者の骨折は早期発見・早期治療がとても重要です。

0276-46-0311(代表)

担当医紹介

センター長

李 相亮

り そうりょう

副院長 兼
整形外科部長
高齢者骨折治療
センター長

李医師

出身大学

平成12年 神戸大学医学部卒業

資格

  • 医学博士
  • 昭和大学整形外科兼任講師
  • 日本整形外科学会整形外科専門医
  • 日本整形外科学会認定スポーツ医
  • 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
  • 日本再生医療学会再生医療認定医
  • 日本骨粗鬆症学会認定医
  • 日本骨粗鬆症学会評議員
  • 日本骨折治療学会評議員
  • AO Trauma上級会員
  • ロコモアドバイスドクター
  • Orthopaedic Trauma Association, International member
  • Journal of Orthopaedic Science, editorial board member

専門分野

外傷、難治骨折、骨粗鬆症

副センター長

岡本 怜士

おかもと さとし

整形外科 副部長
おおた人工関節
センター長

岡本医師

出身大学

平成23年 愛知医科大学医学部卒業

資格

  • 日本整形外科学会 整形外科専門医

専門分野

股関節外科

岡崎 裕一郎

おかざき ゆういちろう

整形外科医長

岡崎医師

出身大学

令和2年 日本医科大学医学部卒業

専門分野

整形外科一般